質問

わが家は、夫が37歳、私は35歳で、10歳の長男と8歳の長女の4人家族です。約3年前に、夫が勤める会社が倒産して失業し、生活費を賄うために、消費者金融で借金をしました。今では、借金の額が300万円を超えています。今年になってから夫が正規雇用の仕事を見つけ、収入が安定してきました。とはいっても、手取りは1か月20万円程度です。しかし、借金の返済に毎月10万円ほど必要で、借りては返し、返しては借りという繰り返しです。このさい、借金を整理したいと思いますが、どういう方法がありますか。

回答

借金を整理する方法としては、(1)任意整理(2)破産(3)個人再生の3通りの方法があります。

任意整理というのは、弁護士が貸金業者などの債権者と交渉して、改めて返済条件(毎月の支払金額と合計額)を決め、返済をする方法です。破産というのは、支払い不能の場合に裁判所に申し立てをして破産宣告を受け、最終的に、これ以上債務の支払をしなくてもよいという決定(免責決定)をしてもらう方法です。個人再生というのは、裁判所に申し立てをして債務を減額してもらい、3年間の分割で支払うという方法です。

いずれの手続を選択するかは、債務の総額、生活状況、支払いに充てられる原資の額などを考慮する必要があります。

弁護士は、債務整理の依頼を受けると、貸金業者に受任通知を送り、併せて全取引履歴の開示を求めます。貸金業者は、弁護士から受任通知を受けると債務者に対して直接取り立て行為をすることが禁じられます。そして、弁護士は、開示された取引履歴について、利息制限法の利率による引き直し計算を行います。消費者金融では、利息制限法の制限利率を超える利息の約束をしていることが多いので、その場合は、利息制限法の制限利率(元本10万円以上100万円未満では年率18%)で引き直し計算をすると、債務額が減少します。こうして、引き直し計算をした上で、債務額を改めて確定し、それを概ね3年程度で分割返済できる原資がある場合には、任意整理で返済することができますが、3年以内での返済が困難な場合には破産手続を選択した方が良いといえます。なお、取引期間が長い場合には、引き直し計算の結果、債務が無くなったり、過払いになっている場合もあります。

また、個人再生手続は、継続的な収入がある場合で、債務額が100万円から500万円までの場合であれば総額100万円を3年間で返済するという再生計画を立てて、裁判所の認可を得てそのとおり返済すれば、残りの債務が免除されるので、債務の大幅な減額ができます。個人再生手続は、住宅ロ一ンがあって住宅を手放したくない場合など(ただし、住宅ローンは減額できませんが)、破産手続をとることに支障がある場合に有効な手続といえます。

ただ、どの手続をとるかの最終判断は、債権額が正確に分からなければ決められませんので、弁護士による債権調査を待つことが必要です。

いずれにしろ、借りて返す・・・という状況から早く脱却し、落ち着いてから今後のことを考えた方がよいので、早めに弁護士に相談して、受任してもらうのがよいでしょう。