2024年度 会長挨拶

 日本女性法律家協会 

会長 横 溝 久 美 (弁護士47期) 

 

 

私は、20246月の総会において会長に就任いたしました。 

 当協会は、女性の裁判官、検察官、弁護士、法学者から構成される会員800名からなる全国組織の団体です。創立は、1950年に遡ります。GHQの法務部にいたアメリカの女性弁護士の示唆を受け、女性法律家10余名で設立されました。 

 法の下における男女の平等を規定した日本国憲法が施行されてまだ3年余しか経ていない時期であり、設立メンバーの新時代に向けた高い志と熱意に深く敬意を表します。 

 当協会は、時代に即して、会員相互の研修・交流等のほか、司法及び法学並びに女性の地位に関する調査研究と様々な意見表明、国連NGO団体への参加、他の女性団体との交流、市民のための法律相談等の活動を続けてまいりました。また、思いもかけないコロナ禍で急に浸透したオンライン会議により、地方の会員とも即時に面談ができるようになったのは画期的なことで、今後の当協会の活動の幅を広げるものと思います。 

 我が国は、世界フォーラムから毎年発表されるジェンダーギャップ指数が極めて劣位であることは皆様ご承知のとおりです。意思決定への参画やリーダー層への登用が少ないことが要因ですが、それは我が国に根強く残っている性別役割分担意識に起因するものと考えます。歴史・文化に根付くものなのでその払拭は容易ではありません。 

 当協会は、女性法律家専門集団として、個別事象の検証・分析を通じて、当該意識の払拭や打破について意見表明を行い、あるいは講演会や研究会を通じて社会に提言していく役割があると考えます。